「免疫療法」で根治可能に アレルギー性鼻炎の最新治療
通年性アレルギー性鼻炎の9割はダニに反応してアレルギー症状が出る。これまで対症療法しかなかったが、昨年、根治が可能な治療が登場した。千葉大学医学部付属病院耳鼻咽喉・頭頚部外科の岡本美孝科長に聞いた。
■「アレルゲン免疫療法」で反応を抑える
アレルギー性鼻炎には、一年中症状がある「通年性」と、一時期だけの「季節性」がある。後者はほとんどが花粉症によるものだ。
通年性の治療はこれまで、(1)アレルギーの原因物質アレルゲンを吸い込まない(2)薬物治療──の2つだった。
(1)は、ダニが原因の9割を占めることから、ダニが室内で繁殖したり、死骸や糞が残らないように毎日丁寧に掃除をし、カーペットや絨毯などを避け、布団など寝具も頻繁に洗ったり干したりする。ただ、治療の基本とはいえ、これを完璧に行うのは難しい。
(2)は、複数の種類がある薬の中から重症度と病型の組み合わせに応じて薬を選択すれば効果はあるが、「症状を鎮める」といった対症療法でしかなかった。