血糖値は冬に上がる 北半球の調査では12~3月に上昇
厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」によれば、糖尿病の人口は1000万人を超え、正常より血糖が高い人も合わせると、2000万人を超えると推計されています。糖尿病はまさに国民病で、その増加は深刻な問題です。
さて、糖尿病の診断には血糖値と共に、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という検査を行います。この数値は前2カ月くらいの血糖が高いほど上昇するのですが、季節により変動することが知られています。寒い時季には上昇し、暖かい時季には下がるのです。
日本を含む北半球での調査では、12月から3月くらいの時季に最も高くなっていて、南半球のオーストラリアでは、5月から9月くらいの時季に高くなっています。要するに、気温が下がると血糖は上がっているのです。糖尿病の患者さんでは、冬場は薬が増えることが多いようです。これは一体なぜでしょうか?
寒い時季はあまり運動をしませんし、家でゴロゴロしている時間が長くなるので、そうした生活の変化が、影響をしているのかも知れません。
寒いとストレスホルモンが上がるので、それが血糖を上げるのではないか、という説もありますが、証明はされていないようです。
もちろん生活改善は一年中する必要があるのですが、血糖を気にされている方や糖尿病の疑いのある方は、健康診断は夏の時季に受けた方が良い結果が出るかも知れません。