脳のストレスを減らす 玄米の成分「γ-オリザノール」とは
現在では、発売中止になっているものもあり、薬で依存症を改善することは極めて難しい。
■「白米7対玄米3」でも効果的
そこで、益崎教授が注目したのが「γ―オリザノール」だ。この成分を糖尿病マウスに与えたところ、脳のストレスを解消し、肥満や糖尿病の予防につながることが分かった。
この研究成果は2017年に国際科学誌「Nature」にも掲載されている。
「米の中でも玄米、米ぬか成分に脳のストレスを解除する効果がみられました。マウスを使った実験で、『ラード』と『ヘルシー食』の双方に『γ―オリザノール』の成分を含ませてどちらを選ぶか観察すると、ヘルシー食を選ぶ割合が増えました。実験前は、ほぼ100%、ラードを選んでいたのにです。動物性脂肪過多の好みを変える働きがあります」(益崎裕章教授)
一方で、野菜や魚に対する好みは変わらない。バランスよく食べられるようになる。食事量を変えずに、動物性脂肪の過剰摂取をやめられるのが玄米、発芽玄米、ロウカット玄米などだ。ぬか漬けにもγ―オリザノールは含まれている。
「白米とのミックスで十分。白米7対玄米3の割合でも効果は認められます。無理なく始められます」(益崎裕章教授)
ファストフードがやめられない人は試す価値ありだ。