著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

心臓病のリスクにも影響「緑地環境」が健康を左右する

公開日: 更新日:

 居住環境が健康状態に影響を及ぼす可能性について、複数の研究報告があります。

 例えば幹線道路の近くに住んでいる人では認知症リスクの増加、強い騒音環境ではうつ病リスクの増加が示唆されています。

 他方で、緑地環境が近隣にあることは、身体活動の促進や心理的なストレス軽減、また大気汚染や騒音などを防ぐことによる生活環境の改善が期待できることでしょう。

 居住地区の緑地環境と心臓病のリスクを検討した研究論文が2019年3月19日付で、米国心臓協会誌電子版に掲載されました。

 この研究では、米国フロリダ州マイアミのデイド郡に居住している65歳以上の24万9405人が解析の対象となっています。人工衛星の画像をもとに、緑地環境の度合い(正規化植生指数)を評価し、心臓病の発症リスクとの関連性が検討されました。なお、結果に影響を与えうる、年齢、性別、世帯収入などの因子で、統計的に補正して解析を行っています。

 その結果、緑地環境の度合いが最も高い地域に居住していた人は最も低い地域に居住していた人と比べて、心筋梗塞のリスクが25%、狭心症のリスクが20%、心不全のリスクが16%、統計学的にも有意に低下しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方