青島周一
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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米で研究報告 楽観主義は痛みを軽減するかもしれない

公開日: 更新日:

 物事をあまり悪い方向に捉えず、前向きに考えていく楽観主義な人は、精神的及び身体的健康にポジティブな影響を及ぼす可能性があります。

 米国の陸軍兵士を対象に、楽観性の高さと健康への影響を検討した研究論文が、2019年2月8日付で米国医師会誌のオープンアクセスジャーナルに掲載されました。

 過酷な戦場で激務をこなす兵士たちは、過度の疲労により精神的にも身体的にもバランスを崩すことが少なくありません。退役軍人の多くは腰や関節などに痛みを訴えるそうです。この研究では、アフガニスタン、もしくはイラクに派遣された米軍兵士2万734人を対象に、兵士の楽観性と、派兵後に新たに発生した体の痛み(腰痛・関節痛・頻発する頭痛)との関連性が検討されました。楽観性は1~5点で評価され、低度(1・00~2・75点)、中等度(3・00~3・75点)、高度(4・00~5・00点)の3つのグループに分けられました。なお、結果に影響を与えうる、年齢、性別、派遣場所などの因子で統計的に補正を行って解析しています。

 その結果、楽観性の点数が1点増加すると、派兵後に新たに発生した体の痛みが11%、統計学的にも有意に低下することが示されました。また、楽観性が低度だった人では、高度だった人に比べて、体の痛みの新たな発生が35%、統計学的にも有意に高いという結果でした。

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