「心アミロイドーシス」早期発見して治療を始めるのが重要
ほかの疾患が原因になっているケースを除くと、根本的な治療はまだ確立されていないのが現状で、対症療法が中心です。心不全の症状があれば、利尿剤、β遮断薬、ACE阻害薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)などの薬物治療を行うのが一般的です。最近は免疫抑制治療と末梢血幹細胞移植を組み合わせる有効な治療法も登場しています。
こうした新しい治療をより有効活用するためにも、何より大切なのが心アミロイドーシスを早期発見することです。心筋はいったんダメになると元には戻らないので、いかに病状が軽い段階で治療を始められるかがカギになります。
現在は心エコー検査が正確になってきたので、心肥大患者さんでアミロイドを示すエコー所見が認められた際には、複数の診療科で対応していく必要があります。
アミロイド蛋白が尿中に出てくれば血液内科や腎臓内科が診るといった具合です。一般的な生活習慣病では開業の先生をかかりつけ医として持つことが大切ですが、この病気では高度医療を行える専門医と緊密な医療連携を持っているかかりつけ医を選ぶことが大切になってきます。