「心アミロイドーシス」早期発見して治療を始めるのが重要
アミロイド蛋白にはたくさんの種類がありますが、心アミロイドーシスの原因になるのは、主に「イムノグロブリン遊離L鎖」(AL型)と「トランスサイレチン」(ATTR型)の2タイプです。ALは免疫に関係する形質細胞の異常増殖や、自身を攻撃してしまう抗体の異常産生が原因で起こり、血液のがんである多発性骨髄腫を伴うケースが多く見られます。
ATTRは肝臓で合成されるTTR蛋白の働きが障害されることで起こり、遺伝子変異による「遺伝性」と、加齢に付随する「老人性」の2種類があります。いずれも、放置していると1年程度で突然死を招くリスクが高くなるため、早期発見して治療を始めることがとても重要です。
最近は深刻な心臓疾患のひとつとして循環器内科が診るケースが増えてきています。アミロイドーシスが疑われる場合は、レントゲン、採血、心電図、心エコー、心臓MRIなどの検査を行い、心筋生検によって診断が確定されます。カテーテルで心臓組織の一部を採取し、顕微鏡で観察してアミロイドが沈着しているかどうかを調べるのです。
■対症療法が中心だが新たな治療法も登場している