著者のコラム一覧
江部康二高雄病院理事長

1950年、京都府生まれ。京都大学医学部卒。高雄病院理事長(内科医、漢方医)。日本糖質制限医療推進協会代表理事。近著に「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(ダイヤモンド社)がある。

同級生から「何で江部だけがそんなに元気なのか」と驚かれる

公開日: 更新日:

「食べトレは50代からでも遅くなく、HbA1cが高い人でも回復した例をたくさん見てきました。逆に糖質過多な食生活を続けていると糖尿病だけでなく、脳卒中心臓病といった生活習慣病になる可能性が高い。これは『食後高血糖(血糖値スパイク)』、血糖値が乱高下する『血糖変動幅増大』、過剰なインスリンの分泌が続く『高インスリン血症』という悪の3点セットによるものです。生活習慣病は、まさに、『糖質病』と言えるのです」

 糖質病のもとになるのは糖質の過剰摂取による糖化と酸化だ。そしてHbA1cは糖化の初期の産物だ。しかし、糖化が進むとAGEs(エージーイーズ=終末糖化産物)が身体各所のタンパク質に生じ、リセットすることが困難になる。

 AGEsによるリスクとしては血管にたまると動脈硬化、骨にたまると骨粗しょう症、水晶体にたまると白内障、皮膚にたまるとシミ・シワなどがある。人工透析、失明、足の切断といった糖尿病合併症の元凶もAGEsとされている。

「糖質制限は早く始めるほど糖質病の予防に効果的です。コントロールの悪い糖尿病患者さんはたくさんのAGEsを抱えていて、老化が進み、寿命が10年短くなるといわれています。生活習慣病型のがんである大腸がん乳がん、すい臓がん、腎臓がん、食道がん、子宮体がん、胆のうがんなどもまた“糖質病”に他なりません。また、AGEsはがんの転移を促進する可能性がある。増えていく虫歯も歯周病も糖質病。糖尿病患者のアルツハイマー病の発症リスクはそうでない人の2倍。そういう意味で認知症も糖質病のひとつなのです」

 アメリカ糖尿病学会では2013年10月から期限や限定なしで糖質制限食を容認しているのだという。

 何より同級生たちより若くいられるだけでもやる価値がある。 =おわり

 (構成=中森勇人)

【連載】100年人生が楽しくなる半日断食

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ