青島周一
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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

脳梗塞は野菜・果物、乳製品でリスク減 卵は脳出血を増やす?

公開日: 更新日:

 食習慣と脳卒中の関連性は過去にも複数の研究データが報告されています。しかし、脳卒中といっても、脳の血管が詰まって発症する脳梗塞と、脳の血管が破れて発症する脳出血があり、両者の病態は大きく異なります。これまでに報告された研究の多くが、脳梗塞と脳出血を区別なく検討しており、特に脳出血に関するデータはほとんどありませんでした。

 そんな中、欧州循環器学会誌に食事と脳卒中の関連性を、脳梗塞と脳出血に分けて解析した研究論文が2019年4月24日付で掲載されました。

 この研究では欧州9カ国に在住の41万8329人が対象となっています。被験者に対して食品の摂取状況に関するアンケート調査を行い、食品ごとに摂取量当たりの脳梗塞および脳出血リスクが検討されました。なお、研究結果に影響しうる年齢、飲酒・喫煙状況などの因子について、統計的に補正を行い解析しています。

 平均で12・7年にわたる追跡調査の結果、脳梗塞リスクは野菜・果物が1日200グラム当たり13%、食物繊維が1日10グラム当たり23%、牛乳が1日200グラム当たり5%、ヨーグルトが1日100グラム当たり9%、チーズが1日30グラム当たり12%、統計的にも有意にリスクが低下しました。他方、脳出血は、卵が1日20グラム当たりで25%のリスク増加が示されました。

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