青島周一
著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

中国で成人10万人超に調査 お茶の摂取と健康長寿の関係は

公開日: 更新日:

 お茶にはカテキンなど健康に良いとされる成分が多数含まれています。また、お茶を積極的に摂取している人では脳卒中うつ病の発症、さらには死亡のリスクが低いという研究も報告されています。健康に良いイメージの強いお茶ですが、寿命に与える影響はどの程度なのでしょうか。

 循環器予防医学の専門誌に、お茶の摂取と健康寿命の関連を検討した研究論文が2020年1月8日付で掲載されています。

 この研究では、中国に在住している成人10万902人が解析の対象となりました。研究参加者は、お茶の摂取が週に3回未満のグループ(6万9017人、平均52歳)と、週に3回以上のグループ(3万1885人、平均50・5歳)に分けられ、心臓病の発症や死亡リスクなどが比較検討されています。なお、研究結果に影響を与えうる年齢、居住地域、教育水準、喫煙・飲酒状況などの因子について、統計的に補正をして解析されました。

 中央値で7・3年間にわたる追跡調査の結果、お茶の摂取が週3回未満の人と比べて、週に3回以上の人では、心臓病による死亡のリスクが22%、脳卒中による死亡のリスクが27%、総死亡のリスクが15%、統計的にも有意に低下しました。このリスク低下は、50歳時点で心臓病の発症を1・41年遅らせることができ、また平均余命については1・26年長いことに相当します。

 もちろんお茶を積極的に摂取している人では、そうでない人に比べて、バランスの良い食習慣に関心が高く、そもそも健康的な人たちと言えるかもしれません。お茶が直接的に寿命を延ばしているかどうかは結論できませんが、適量を習慣的に摂取してみるのもいいように思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し