著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

子供のがんで相談すべき病院3つ 高校生は7割が休学・退学

公開日: 更新日:

 たとえば、たばこをたくさん吸う人が年を取って肺がんになるのは、自己責任の影響が否定できません。大腸がんは欧米型の脂肪分の多い食事運動不足の影響があり、メタボ的な生活習慣の人はリスクが高い。

 ところが、AYA世代のがんは、そういう影響がほとんどない上、がんの要因の一つである細胞の老化ともいえません。中高年のがんと違い、自己責任的な要素はとても少ないので、もっとサポートが受けられてしかるべきです。

 重要なのが、医療費の問題でしょう。乳幼児医療費助成制度や子ども医療費助成制度により、自治体が医療費の一部または全額を負担する制度があります。それに加えて小児がんの場合は、小児慢性特定疾病医療費助成制度が有効です。

 15~19歳は白血病や生殖細胞から発生する胚細胞腫瘍、性腺腫瘍、リンパ腫、20~29歳は胚細胞腫瘍、性腺腫瘍、甲状腺がん、30~39歳では乳がんや子宮頚がんといった具合に、AYA世代のがんは中高年のがんとは種類も異なり、専門医が少ない。

 そんな状況ですから、情報を得るには、有力ながん診療拠点病院である国立がん研究センター、国立がん研究センター東病院、静岡がんセンターなどを活用するといいでしょう。これらの病院にかかっていなくても、電話相談は可能です。子どもの学業を守るためにも親の医療費相談のためにも、万が一の時は連絡することです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…