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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がんも糖尿病も「BMI27」を下回るように歩くと予防になる

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 座っている時間が長ければ、運動が減り、肥満になりやすいし、糖尿病や高血圧などの生活習慣病も悪化しやすい。「世界のがんの約6%は、肥満と糖尿病が原因」とする研究もあるのです。特に男性で肝臓がんの23%、女性で子宮体がんの38%は肥満と糖尿病に起因するとされます。

 コロナ禍の今、コロナ太りが話題です。当てはまる人は、がんにも糖尿病にもよくありません。

 ただし、肥満の基準が異なるのが注意点です。WHOは、肥満の基準をBMI(体格指数=体重キロを身長メートルで2回割る)で30以上と定義。しかし日本の基準は25以上です。日本でもメタボ化が進むとはいえ、30以上はあまりいません。そこで、国立がん研究センターによる前向き研究「BMIと死亡リスク」が興味深い。特に男性です。

 BMIで標準体重の23~24.9のがん死亡リスクを1とすると、25~26.9が最も低い0.9となりました。体重が低くなるほど、1を上回って上昇しBMI19未満は1.8に上るのです。肥満では、世界基準の30を超えるとやはりリスクが1.4にアップします。

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