解熱鎮痛剤は正しく使わないと深刻な副作用が出るケースあり

公開日: 更新日:

 NSAIDsには、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった消化管障害の副作用リスクが知られている。NSAIDsが産生を抑えるプロスタグランジンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素によってつくられていて、NSAIDsはCOXの働きを阻害して効果を発揮する。COXには内皮細胞を保護して粘膜を修復させる働きがあり、NSAIDsがそれを阻害してしまうため、消化管障害が起こるのだ。

「また、血管の内皮細胞の保護作用も抑制するため、インフルエンザなどのウイルス感染症で高熱が出て、脳の血管が炎症を起こしている時にNSAIDsを服用すると、血管の修復を阻害して脳血管に損傷を招き、脳症の悪化につながるのではないかと考えられています。そのため、厚労省は小児に多いインフルエンザ脳炎や脳症患者に対してNSAIDsの投与を禁忌としています」

 新型コロナウイルス感染症でも、NSAIDsを服用すると症状を悪化させる可能性が指摘されている。まだ結論は出ていないが、新型コロナに限らず感染症によって発熱した場合は、使用に注意した方がいい。

 もう一方の解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンは、脳の中枢神経や体温調節中枢に作用することで効果を出す。効き目が穏やかで体への負担や副作用も少ないため、子供や妊婦にも処方される。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造