著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

ワサビには消臭や抗菌のほかに抗がんや血液サラサラ作用あり

公開日: 更新日:

 香辛料として有名なワサビは、日本の食文化には欠かせない食材です。平安前期にできた日本最初の漢和薬名辞書にも、ワサビの効用が記されていて、その歴史の深さを垣間見ることができます。室町時代になると、刺し身のつまやそばの薬味として庶民の食卓に自生ワサビが広がったともいわれ、1800年代にはサバの臭いを消すためにワサビを用いたりなど、消臭、抗菌・殺菌作用としての利用もあります。

 食用としている地域は日本の他に中国台湾の一部の地域のみといわれていましたが、近年の日本食ブームの影響もあって、「Wasabi」として世界中に広がっています。最近ではイギリス、カナダ、オーストラリアなど栽培まで行う地域も出てきているそうです。

 日本食以外にもワサビを有効活用できないかという試みもされていて、チーズやフルーツと合わせたり、その他、優れた抗菌作用に着目したフィルム状やシート状の製品が市販され、利用されています。

 ワサビ特有のツンと鼻につく辛味の主成分は、アリルイソチオシアネート(AIT)。AITの抗菌作用は比較的強く、腸管出血性大腸菌O-157、ヘリコバクターピロリ菌、酵母、カビなどを防ぐ、抗菌効果を持つ特徴が報告されています。マウスの実験にはなりますが、ワサビ抽出物をヘリコバクターピロリ菌に感染したマウスへ投与すると、胃細胞の悪化を抑えられるという結果も出ているほどです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方