禁煙でオナラが頻発することも…臭いと病気が隠れている?
【Q】最近、臭いオナラが頻繁に出るようになりました。何か病気にかかったのでしょうか?
【A】肉ばかりを食べるなど、食事が偏っていたり、睡眠不足に陥ったり、何か心配事があるのではありませんか?
オナラの7割はのみ込んだ空気で、残りは体内から出たガスだとされています。そのオナラが臭いとか、頻繁に出るようになったという理由は「大腸劣化」が原因かもしれません。大腸劣化とは、偏った食生活や睡眠不足などにより、腸内細菌の細菌叢(そう)のバランスが崩れて、本来の腸の働きが失われ、健康状態が悪くなることを言います。
ご存じの方もおられるでしょうが、ヒトの腸管、とくに大腸には1000種類以上、100兆個以上の細菌が生息していて、その活動によりホルモンに似た物質などを作っています。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌の3つのグループがあります。数が多いのは日和見菌で次いで善玉菌、少ないのが悪玉菌です。これらの菌は互いに密接な関係を保つことで個々人ごとに違った細菌叢を形成し、細菌の種類や数は年齢などの影響を受けるものの、それほど変わらないといわれています。悪玉菌はストレスで増え、善玉菌はビタミンB群などを産生するなどして健康維持に役立っています。つまり、臭いオナラが頻繁に出るというのは腸内細菌叢のバランスが崩れているということです。バランス良い食事と生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか? ちなみに、喫煙していた人が禁煙した場合は、腸の働きが良くなりオナラが頻発することがあります。
なお、新型コロナは腸で感染拡大してオナラにより拡散する恐れがあるという見方もあります。たかだかオナラだからと軽く見てはいけません。
(弘邦医院・林雅之院長)