おしっこは無色透明なほうが健康なの? じつは病気のサインかも
【Q】おしっこの色で健康状態がわかるという話を聞きます。ならば、無色透明の方が健康ということでしょうか。
【A】 私の患者さんからも「無色透明というのは尿に不純物が混ざっていないということだから健康なんでしょう?」と聞かれることがあります。しかし、それは間違いです。
お酒を飲んだ翌朝はアルコールと一緒に余分な水分が尿として出ていきます。そのため無色に近い尿が出ることがあります。そのようにたまになら問題ありませんが、無色透明の尿が長く続くようなら糖尿病になっている疑いがあり、危険信号だと言えます。
正常な尿の色は薄い黄色です。尿の原料は血液の中にある赤血球に含まれるヘモグロビンと呼ばれるタンパク質です。主に鉄からなる赤い色のヘムと、グロビンと呼ばれるタンパク質からできていて、肺で酸素と結合して全身に酸素を運搬する働きがあります。全身で120日間ほど働いた後、脾臓と呼ばれる臓器で解体されます。
このときヘムは黄色の代謝物であるビリルビンに変換されます。この物質はさらに肝臓に運ばれて処理された後に、脂肪の消化を助ける液体である胆汁に排泄されます。