睡眠不足はアルツハイマー病の原因物質を脳に蓄積させる
このアミロイドβは、脳が活動した時に発生する老廃物の一種。普通は睡眠中に代謝、分解されて脳の外へ洗い流されるのですが、睡眠不足だったり、睡眠の質が悪くて眠りが浅かったりすると、アミロイドβが徐々に脳に蓄積されていきます。一番要注意なのは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。睡眠の質が低下するだけでなく、血中酸素飽和度も一時的に低下するからです。
動物実験では、睡眠時間を短くしたラットや軽度低酸素状態ラットの脳には、アミロイドβがたまってしまうことが確認されており、人間でも一晩の寝不足でアミロイドβの蓄積が増えるとのデータがあります。
年を取ると、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌量が減少し、眠りが浅くなります。つまり、年齢を重ねるごとに、質の高い睡眠をきちんと確保できるよう心掛ける必要があるのです。
■質の悪さも問題
こう話すと、「何時間眠ればいいのでしょうか?」との質問が出がち。最初の方で触れたように、最適な睡眠時間は人によって違います。