母子の命を守るために男性も知っておきたい「妊娠高血圧症候群」
さらに今回の研究で妊婦本人以外の喫煙にもリスクがあると判明した。喫煙時に喫煙者自身が吸う主流煙よりも、加熱部から発生する副流煙のほうがより有害物質が多く含まれるといわれている。この副流煙を吸うと、ニコチンが持つ血管収縮作用が働いて高血圧になると考えられている。
「家族に妊婦さんがいる場合には、妊婦さんの前ではたばこは吸わないでください。可能であれば禁煙するといいでしょう。喫煙から1時間程度はたばこの有害物質が吐息に含まれるとされるので、目の前で吸わなくても受動喫煙させてしまう可能性があります」
■年間5万~10万人が発症
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜Hg以上の高血圧、またはこの高血圧にタンパク尿(1日300ミリグラム以上)を伴う症状を指す。妊娠34週未満で発症する早発型と、34週以降で発症する遅発型があり、早発型のほうが重症化しやすい傾向にあるため早期発見が重要だ。日本では年間5万~10万人が発症し、高齢出産が増えたことから患者数は近年増加しているという。