近年、注目されている「認知症カフェ」では何が行われているの?
「認知症カフェ」は、専門家や地域の人との交流を通して認知症の進行を遅らせ、認知症の方やその家族の社会的孤立を防ぐのを目的に、2012年から本格的に始まりました。これは「オレンジプラン」と呼ばれる国の認知症施策の一環で、認知症の当事者に起点を置いた内容でした。15年に介護者にも焦点が当てられた「新オレンジプラン」が発表され、ここには認知症カフェの普及を通して介護者の負担を軽減させる目標が加えられました。現在、全国に約7000カ所、各市区町村に1~2カ所設置されていて、介護事業者などにより月に1回程度開催されています。
認知症カフェは、認知症の方やその家族はもちろん、認知症に関心があれば誰でも参加できます。費用は100~200円で、出入りは自由です。特に決まったプログラムはなく、コーヒーやお菓子をたしなみながら、参加者同士で自由にコミュニケーションを図る場所です。懐かしい歌を楽しむ音楽会や認知症についてのミニ講話会などを行っている所もあります。認知症カフェには看護師や作業療法士、ケアマネジャーや認知症サポーターなどの専門家がいるので、介護の不安や今後の治療方針についての相談も可能です。認知症の方にとっては、同世代の友人がつくれて楽しくお話ができる場所であり、介護する家族にとっては介護に役立つ情報を共有したり、日々の悩みを聞いてもらえたりと、息抜きできる場になっているのです。