認知症患者の「収集癖」に対する具体的な対処法は?

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 認知症になると、チラシやトイレットペーパーなど、特定の物を集める「収集癖」の症状が現れるケースがあります。周囲からすると一見不要な物を集めたり隠したりするので、同居する家族は捨てたくなるでしょう。しかし、認知症の方は何かしら価値がある物と認識し収集しているので、家族が捨てようとすると激しく怒ります。

 認知症に「こだわりの法則」と呼ばれる特徴があります。ひとつの事柄に集中するとそこから抜け出せず、周囲が説明や説得を試みたり否定したりするほどこだわりが強くなるのが特徴です。この症状は約半年から1年で落ち着きますが、たまっていくうちに家が不衛生になるのでは、と心配する人も少なくないでしょう。

 収集癖の症状を抑えようと家族が真摯に説得しても、こだわりが消えるまでは解決が難しいです。ただ、「一手だけ先手を打つ」と、症状からくる介護負担は軽くさせられます。

 実際に家族から受けた相談の例を挙げると、役所にあるパンフレットをリュックに山ほど詰めて持ち帰ってきて、見つけた妻が捨てようとすると大騒ぎ。お金をかけてパンフレットを出している人に申し訳なく感じ、困っているといった内容でした。そこで提案したのが、外出前に事前に紙をリュックに何枚か入れておくという案です。以降、取る量は減り、時間の経過とともにこだわりの症状も収まって収集しなくなりました。

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