著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

新型コロナ後遺症に糖尿病治療薬が有効? 63%リスクが低下

公開日: 更新日:

 今年の5月8日以降、新型コロナは季節性インフルエンザと同じ扱いになりました。実際には流行は続いていますが、感染力は強いものの症状は軽いので、通常の風邪と同じように対応している方が多いと思います。ただ、高齢者や基礎疾患のある方では重症化のリスクがあるので注意が必要です。

 また問題となるのは、後遺症といわれるような長期持続する咳(せき)やだるさ、集中力低下などの症状です。症状は数カ月から、時には数年にわたることもありますし、症状が強いとそのために仕事や学校を長期間休まないといけない、という事態が社会問題となっています。

 こうした症状に対して有効な治療法はないのでしょうか? 感染の時の症状が重いほど後遺症にもなりやすいことが分かっています。そのため、ワクチンを接種することは後遺症の予防のためにも一定の有効性が確認されています。

 今年の感染症専門誌に、感染直後に複数の薬剤を使用した場合の後遺症予防効果を検証した論文が掲載されました。その結果、「メトホルミン」という糖尿病治療薬を感染症状が出現してから3日以内に使用すると、後遺症のリスクが63%、有意に低下していることが確認されました。この薬は糖尿病患者に使用しますが、糖尿病以外の人にも使用可能なので、今後、コロナ後遺症の有効な予防法として使用される可能性がありそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束