著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

新型コロナ感染後は糖尿病に注意! 1年以内に発症リスク増

公開日: 更新日:

 新型コロナの感染は軽症化しているといわれています。熱や咳などの症状はあるものの、多くの患者さんは普通の風邪程度で回復することが多いのです。

 それでは、新型コロナは風邪と同じになったのでしょうか? 心配なのはむしろ治った後ではないか、という専門家の意見があります。新型コロナに感染後、後遺症と呼ばれるような長期の体調不良が起こることが知られています。それに加えて最近注目されているのが、感染後に別の病気が増えるのではないか、という知見です。

 今年のランセットという一流の医学誌に掲載された論文によると、新型コロナウイルスに感染した18万人以上の高齢者を観察したところ、その後1年以内に糖尿病になるリスクが40%も増加していたのです。そのリスク増加は病気が重症であるほど高い傾向はありましたが、入院を要さない軽症の事例でも確認されています。

 なぜ、新型コロナに感染してから糖尿病が増えるのでしょうか? これは正確には分かっていません。膵臓のインスリンを分泌する細胞に、ウイルスの感染が起こるという説もあります。また、感染により免疫の状態が変化して、免疫細胞が膵臓を攻撃してしまう、という可能性も指摘されています。

 いずれにしても新型コロナに感染した後は、糖尿病の兆候がないかどうかを健診などでチェックする必要がありそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由