著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

スマホを自分の近くに置いておくだけで認知機能が低下する

公開日: 更新日:

 つまり、目の前のタスクに全力で取り組んでいたとしても、スマホが「ある」と感じるだけで集中力や認知能力が低下することが示唆されたというわけです。しかも、スマホのオン・オフに関係なく低下することも分かりました。

「スマホがそこにあるだけで、限られた認知リソースの一部がそちらに向いてしまう。無意識のうちに脳のリソースがスマホに向けられている」とは、ウォードらの弁です。たしかに、仕事や作業が一段落すると、自然とスマホを見てしまう……。これは、脳が「そこにスマホがある」と認識しているために、意識する・しないにかかわらず手が伸びてしまうのです。

 また、米ニュージャージー州ラトガース大学の研究(18年)では、「教室にスマホやノートパソコンがあると、全体の成績を下げる可能性がある」と指摘しています。118人の学生を対象にテストを受けてもらったのですが、その際、半数にはスマホやノートパソコン、タブレットなどの機器の使用を認め、残りの半数は禁止にしてテストを受けてもらったそうです(許可されたときのみスマホやノートパソコンを使用できるという条件下)。ふたを開けると、デバイスを使用していない学生であっても期末試験の成績が平均で5%低下していたというから驚きでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明