前立腺がんだった知人が急に亡くなったという知らせが届いた
前立腺がんは早期に見つかれば、まったく大きくならないで一生そのままでいることもあります。ですから、がんが前立腺に限局し、低リスクと診断された場合はPSA監視療法を選択することもあるのです。外国のデータでは、がんが早期であった場合、手術しても放射線治療をしても、何もしない場合でも、10年生存率は変わらなかったという報告もあるのです。
Tさん(68歳・男性)は、肺にたくさんの転移巣が見つかり、そこで初めて前立腺がんが原発巣であることが分かりました。ホルモン療法で急激にPSA値は低下し、すでに3年が経過しましたが、その後も元気で過ごされています。
医療関係の仕事をされているSさん(65歳・男性)もPSA監視療法のようで、病院で検査を受けた後、時々メールでPSA値を知らせてくれます。
■低リスクでは経過観察の場合も
前立腺がんと診断された場合、進行が速いのか、ゆっくりなのか、病理検査で悪性度診断が行われます。これを「グリソンスコア」と言い、10点満点で点数が高いほど悪性度が高くなります。がんの進み具合は、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどの検査で診断します。進行状況とグリソンスコア、PSA値などにより、低、中、高リスクに分けられるのです。