糖尿病の高齢者は「肉」を食べても大丈夫? 赤身肉はリスクというけれど…

公開日: 更新日:

 しかし、近年は加齢によって、筋肉の合成より分解が進んでサルコペニアからフレイルになる高齢者が増えていて、肉を積極的に食べることを奨励する医療関係者も少なくない。

 はたして、私たちはハーバード大学大学院などの研究チームの報告を信じて、2型糖尿病心臓病がんの発症リスクを気にして肉を食べずにおくべきなのか、それともフレイルを恐れて肉を食べ続けるべきなのか?

「私は若い人と高齢者は分けて考えるべきだと思います。若い人はすでに食の欧米化が進み、赤身の肉をかなりの量を食べている人が多い。体形的にもBMI(体格指数)が30を超えている人もいて、今後も長期間赤身の肉を食べ続けることは欧米の研究で報告されているようなさまざまな病気の発症リスクを高める可能性があると考えられます。ですから、若い人は肉を食べるときは白い肉、つまり鶏肉や魚を食べたり、大豆などの植物性タンパク質で代用することも必要かもしれません。ハーバード大学などの研究チームは健康維持のために赤身肉を週1食とするよう推奨していますから、そのことは覚えておいた方がいいでしょう。ただし、高齢者はそもそも肉の摂取量が少ない。個人差はありますが、気にせず食べてもよいのではないか、と思います。フレイルによる運動能力の低下の解消の方が優先すべき課題でしょう」

 赤身肉は、タンパク質や鉄分、ビタミンBなどの栄養素が豊富な食材だが、その取り方は、自分の状況を考えたうえで決めることだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑