糖尿病の高齢者は「肉」を食べても大丈夫? 赤身肉はリスクというけれど…
糖尿病はお米に代表される炭水化物の過剰摂取により、血液中にブドウ糖があふれるというイメージがある。なぜ赤身肉の過剰摂取が2型糖尿病の発症につながるのか。
「ハーバード大学大学院らの研究チームも、赤身肉の摂取はインスリン感受性を低下させる飽和脂肪酸やインスリン抵抗性を高める硝酸塩が含まれていることを指摘しています」
とはいえ、これは欧米の研究で日本人には関係ないだろうと思う人もいるかもしれない。しかし、アジア人を中心にした大規模試験でも同様な研究結果が報告されている。
日本でも肉の消費量の増加が2型糖尿病の患者数を増やしていることを疑わせるデータがある。1960年と2019年の日本人1人当たりの消費量を比べると、肉(鶏肉も含む)は10倍に増加した一方で米の消費量は半減。この間、糖尿病患者数は右肩上がりに増えている。
■若者とは区別して考える
もともと赤身の肉の過剰摂取は心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントのリスクを高めるほか、大腸がんリスクの増大、男性の膵臓がんリスク、さらには死亡リスク全体を高めることなどが報告されている。そのため、日頃から気をつけている人も多いはずだ。