舌がんの切らない治療「選択的動注併用放射線療法」 体験したシェフに聞いた

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 妻とともに慌てて「切らずに済む治療法」をインターネットで探しました。そうやって出会ったのが不破信和先生です。当時先生が勤務していた伊勢赤十字病院(三重県)へすぐ飛び、「選択的動注併用放射線療法」の説明を受けました。主治医からは重篤な副作用があると聞いていましたが、不破先生はそれをクリアする方法を見いだしており、検査後「僕なら治せる」と言ってくれた。待合室で、九州中央病院へ手術を断る電話をしました。

 入院期間は約3カ月。私のがんは舌に1カ所、頚部リンパ節への転移が2カ所で、目に見えていないがんが全身にある可能性も否定できない状態。全身抗がん剤の副作用はキツかった。フラフラでまっすぐ歩けない。動注療法は回数を重ねるにつれ体の負担が重くなり、口の中全部に口内炎ができたようで水を飲んでも痛いほどでした。

 がんが消えている──。そう不破先生の言葉をもらって退院。2カ月に1回、3カ月に1回、半年に1回と徐々に間隔を空けての定期検診で、最後の診断は今年3月。この時点で、次は来年(24年)と言われました。よく聞かれるのですが、退院以降は、定期検診のみで、薬の服用など一切ありません。

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