著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

「薬害」が感染症を引き起こす…日本で何度も起こっている

公開日: 更新日:

 前回、大腿四頭筋拘縮症の薬害問題について少しだけ触れました。これまで、日本でもたくさんの薬害が起こってきましたが、薬害により感染症が発生したケースも多く知られています。

 以前、当連載でも紹介したクロイツフェルト・ヤコブ病(ヤコブ病)では、脳外科手術の際に切除した硬膜を補充するために使われるヒト乾燥硬膜製品が汚染されていたことで、手術を受けた患者から後にヤコブ病を発症した被害者が多く発生したという事件がありました。日本のケースでは、被害者と家族が国やメーカーなどを被告として薬害訴訟を提起し、2002年に和解が成立しています。

 ヤコブ病の病原体(プリオン)の潜伏期間は非常に長いため、これらを受けて03年には改正薬事法が施行され、人の血液や組織に由来する原料を用いた製品を「特定生物由来製品」と定義し、それまで10年だった使用記録の保存期間が20年に延長されました。それまでは10年保管で廃棄していた記録が20年保管に変わってしまったので、当時も病院勤務だった私は、1993年以前の記録についても紙カルテなどから探し出したことを覚えています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です