「薬害」が感染症を引き起こす…日本で何度も起こっている
ほかに薬害によって感染症が起こったケースとして、血液凝固因子製剤による薬害エイズ事件や薬害肝炎なども知られています。薬害エイズ事件では、当時の厚生省が承認した非加熱血液製剤にHIVが混入していたことにより、主に1982年から85年にかけて、これを治療に使った血友病患者の3割、約1400人もの方がHIVに感染してしまいました。
薬害肝炎では、血液凝固因子製剤の投与によってC型肝炎ウイルスに感染してしまった被害者の数は正確には分かっていません。1980年以降にフィブリノゲン製剤の投与を受けた患者は約29万人で、そのうち1万人以上がC型肝炎を発症したと試算されています。
薬の専門家である薬剤師は、こうした薬害を未然に防ぐことも大きな使命であると考えます。繰り返される薬害を教訓とし、このようなことが二度と起こらないよう活動を続けていきたいと強く思っています。