優等生が一転、20年超のひきこもりに…「親」の視点
しかし、あえて言うならば、こういった対応こそがお子さんの「感情不全」を生じ悪化させてしまう元凶そのものなのです。もちろん、その程度が軽ければ、時にこういった大人から浴びせられた言葉への反発を糧にして、自らの力で立ち上がる“強さ”を持ち合わせたお子さんがおられるのは事実です。
その一方で、そこに親の意識改革と支えがなければ何歳になってもどうしても自らの力では立ち上がれない、“強さ”を持ち得ないお子さんも数多おられるということをぜひ、ご理解いただきたいのです。そこには間違いなく後述する感情不全が生じています。また、たとえ“強さ”を持ち合わせ、不登校やひきこもりにはならずに、一人前に育てあげたと親は思っていても、その中には内心は傷つき親との関わりを煙たがっているお子さんも数多おられます。
孫が欲しいなどとのんきに思っている親を尻目に、自らの抱く家庭像や親子像のネガティブさから結婚や子育てにどうしてもポジティブなイメージや幸福感が持てず、それどころか嫌悪感すら抱いている方や、どことなく生きづらさが拭えずに、中には心を病んで親の預かり知らぬところで精神科に通院し続けているという方も少なくないのです。