「RSウイルス感染症」たったひとつの対抗策…すべての乳幼児がハイリスク

公開日: 更新日:

 RSウイルス感染症は治療薬がない。 

「現状では予防の注射のみが唯一の対抗手段です」(石和田教授) 

 予防ではこれまで「パリビズマブ」という薬が用いられていた。効果の高い薬であるものの、一方で課題があった。 

 主なものでは、まず対象が基礎疾患を持つ乳幼児に限定されている。前述の通りすべての乳幼児がハイリスク群だが、基礎疾患がなければ対象に含まれない。

 次に、流行時には毎月投与が必要で、やめると効果が減弱し入院率が高くなる。親の負担が大きく、毎月投与が難しい場合もある。さらに、流行開始時期が年、地域で時に大幅に変動し、適切な投与のタイミングをつかみにくい。準備段階で流行時期に突入してしまうこともある。

 今年3月、新薬が承認された。「ニルセビマブ」だ。5月から現場で使われている。条件によって健康保険適用・適用外の違いはあるが、基礎疾患の有無に限らず対象。国際共同試験では1回の投与で5カ月間の有効性が示され、毎月投与の必要はなく、流行時期の変動に対応しやすい。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」