「RSウイルス感染症」たったひとつの対抗策…すべての乳幼児がハイリスク

公開日: 更新日:

「テーブルの上で6時間、ゴム手袋で30分、ペーパータオルで30~45分、分離(=増殖)可能との報告もあります」(石和田教授)  「乳幼児にとって、新型コロナやインフルエンザよりはるかに危険」と指摘するのは、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科小児科学・森内浩幸教授。重症RSウイルス感染症の実態調査では、「医療ケアあり群(気管挿管、気管切開、在宅酸素療法など)」の乳幼児の9.1%が死亡と、死亡率が非常に高く、「医療ケアなし群」でも0.1%と無視できないレベルだった。

「すべての乳幼児がハイリスク群」(森内教授)

■現時点で治療薬はない

 RSウイルス感染症へどう対策を講じるかは、命にかかわる問題であり、将来に影響を与える問題でもある。

「下気道や肺は2歳ごろまで発達が続く。この時期にRSウイルス感染症で炎症を起こすと後々まで響きます。生まれて最初の3年間にかかった下気道感染症の回数が多いほど、7歳児の喘息罹患リスクは高くなる。乳幼児期に下気道炎を起こすと5歳ごろの呼吸機能が低下、2歳未満で下気道炎にかかると、成人後、呼吸器疾患による超過死亡が倍増といった報告もあります」(森内教授)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ