耳掃除には要注意! 耳の中がカビだらけになる「外耳道真菌症」の危険あり
繁殖する真菌の種類は、カンジダとアスペルギルスが代表的だ。
「外耳道真菌症のほとんどは、皮膚の表面だけに真菌が付着してかゆみが生じる『表在型』と診断されます。しかし、アスペルギルスに感染した場合は、鼓膜が破れたり、真菌が皮下組織に入り込んで耳の骨が溶ける『浸潤型』になりやすく、外耳道真菌症と診断される方の約1割は浸潤型とされています。痛みがあれば注意が必要です」
■鼓膜が破れ骨が溶けるケースも
ある70代の女性は、2~3カ月前から続く耳のかゆみと聞こえにくさに悩まされ、近所の耳鼻科を受診した。診察で鼓膜に穴が開いていると診断され、細菌培養検査を行うと細菌が見つかり、抗生物質による治療を開始。しかし、時間がたつにつれて鼓膜の穴はさらに広がってきた。紹介された大病院で細菌培養検査と併せて真菌培養検査を受けるとアスペルギルスが検出され、鼓膜の破れのほかに耳の骨が溶けていることが判明した。
外耳道真菌症は、放置しても命に関わる病気ではないが、自然治癒する可能性は極めて低い。