糖尿病と認知症を合併した親の血糖値コントロールはどうすればいい?
糖尿病の方はそうでない人に比べて認知症を発症しやすいのはご存じでしょうか。アルツハイマー型で約1.5倍、脳血管性認知症は約2倍リスクが高まるとされ、未治療の糖尿病は最も危ない危険因子のひとつといわれています。
在宅介護で問題になりやすいのが「血糖コントロール」です。糖尿病の人が認知症により食事や運動、内服薬や注射といったセルフケアが難しくなると、両者の症状が悪化する恐れがあります。
とりわけ糖尿病の内服薬は、1日数回、薬によっては食前と食後に分けて服用しなければならず、認知機能が低下している方にとっては非常に複雑です。飲み忘れると高血糖となり、記憶力や遂行能力、注意力の低下といった認知機能障害を来します。
さらにインスリン注射やスルホニル尿素(SU)薬で治療をされている場合、意識障害を来すような重症低血糖のリスクが高くなり、注意が必要です。しかし、認知症があると重症低血糖を1.61倍起こしやすいうえに、重症低血糖で脳にエネルギーが供給されなくなると認知機能の低下を招きます。悪循環に陥らないためにも、家族は本人のQOL(生活の質)を維持しながら血糖コントロールを行う必要があるのです。