糖尿病と認知症を合併した親の血糖値コントロールはどうすればいい?

公開日: 更新日:

 糖尿病の方はそうでない人に比べて認知症を発症しやすいのはご存じでしょうか。アルツハイマー型で約1.5倍、脳血管性認知症は約2倍リスクが高まるとされ、未治療の糖尿病は最も危ない危険因子のひとつといわれています。

 在宅介護で問題になりやすいのが「血糖コントロール」です。糖尿病の人が認知症により食事運動、内服薬や注射といったセルフケアが難しくなると、両者の症状が悪化する恐れがあります。

 とりわけ糖尿病の内服薬は、1日数回、薬によっては食前と食後に分けて服用しなければならず、認知機能が低下している方にとっては非常に複雑です。飲み忘れると高血糖となり、記憶力や遂行能力、注意力の低下といった認知機能障害を来します。

 さらにインスリン注射やスルホニル尿素(SU)薬で治療をされている場合、意識障害を来すような重症低血糖のリスクが高くなり、注意が必要です。しかし、認知症があると重症低血糖を1.61倍起こしやすいうえに、重症低血糖で脳にエネルギーが供給されなくなると認知機能の低下を招きます。悪循環に陥らないためにも、家族は本人のQOL(生活の質)を維持しながら血糖コントロールを行う必要があるのです。

■関連キーワード

最新の健康記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  2. 2
    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

  3. 3
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 4
    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

  1. 6
    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

  4. 9
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 10
    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見

    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見