荒れ球は大いに結構! 藤浪晋太郎がアスレチックスで“完全復活”する根拠
■野茂と松坂のメンタリティ
間違いなくメジャーの野球は藤浪に合う。悪癖だと指摘されるシュート回転も荒れ球も、積極的にバットを振ってくるメジャーでは武器になり得る。米国には、インステップはダメだとフォームをいじくるコーチも、四球を出しただけでベンチでジタバタし始めるコーチもいない。
野茂英雄も松坂大輔も四球を出した。制球難を指摘されても、お構いなし。“歩かせても、次の打者を抑えればいい。四球は4つ出したって、1点。ストライクを取りにいって、一発を打たれるよりマシ”だとばかりに気にしなかった。
藤浪に必要なことがあるとすれば、このメンタリティーくらい。そもそも、昨季の藤浪の与四球率は2.84。キャリアハイの14勝を挙げた15年が3.71だから、心配するほどのことはない。
長いトンネルから抜け出せなかったのは、使い方にも大きな問題があった。先発してちょっと内容が悪ければ即二軍。二軍で結果を出したら出したで、一軍では中継ぎ起用と一定しなかった。アスレチックスは藤浪が望む先発として期待している。完全復活の舞台は整った。