認知症の家族の「特養」への入居待ち期間はどう過ごせばいい?
自宅介護ができなくなった認知症の家族の入居先として最も人気なのが、「特別養護老人ホーム」(特養)です。国や自治体の補助金によって設立されていることから、入居一時金や初期費用がかからないなど比較的安価で利用できるためです。特養の場合、入居の基準は要介護3以上の身体介護や日常的な生活支援を必要とする患者さんが優先で、緊急度や経済状況によって異なります。しかし同じ条件なら、基本的には、ほかの医療機関に長期入院することによる退去か、終身利用のため、入居者が亡くなって空きがでないと待機者が入ることはできません。そのため申し込みをしても、半年から数年以上順番待ちをするケースは珍しくありません。
それでは自宅介護できる状況ではないが、特養の入居待ちの認知症患者さんの家族はどうすれば良いのでしょうか。
ひとつはショートステイの活用です。特養をはじめ、病気やケガなどでリハビリが必要な高齢者が利用する「介護老人保健施設」(老健)では自宅介護の方が利用できるショートステイのサービスを行っています。受け入れてくれる施設は多く、一般的に1日から1カ月程度の滞在が可能です。1カ月利用してから、数週間ほど自宅で介護し、またショートステイを利用する方もいます。65歳以上で要介護または要支援の認定なら利用できます。要介護3で介護負担1割の方の場合、特養で1日700~800円台、老健で1日800~900円台(いずれも食費・居住費除く)が目安です。