心臓血管疾患
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加齢で衰えるが…「噛む力」を維持すれば心臓病を予防できる
「噛む力」が弱い人は、循環器疾患になりやすい――。日本の一般住民を対象とした研究で、そんな相関関係が明らかになった。噛む力を維持することを意識すれば、日本人の死因の第2位である心臓疾患を予防できるかもしれない。 国立循環器病研...
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ガイドライン改訂「マイトラクリップ」について思うこと
昨年、日本の「弁膜症治療ガイドライン」が改訂されました。中でも、僧帽弁閉鎖不全症に対する治療が大きく変更されています。 僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の中にある僧帽弁がうまく閉じなくなって血液が逆流してしまう疾患です。加齢などによ...
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心房細動のほとんどは「左心房」が原因で発症する
これまで“おまけ”として考えられていた心臓の右心室が心臓突然死と深く関わっていることがわかり、注目されていることを前回お話ししました。今回は「心房」を取り上げます。 心臓は「右心房」「左心房」「右心室」「左心室」という4つの...
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“おまけ”だった右心室が突然死に関係しているとわかってきた
近年、心臓突然死を招く原因として「右心室」が注目されています。 心臓は「右心房」「左心房」「右心室」「左心室」という4つの部屋に分かれています。それぞれの部屋は壁で仕切られ、右心房と右心室、左心房と左心室は「弁」でつながって...
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スマホアプリによる「デジタル高血圧治療」臨床結果は上々
スマホのアプリを使って高血圧症の治療を行う「デジタル高血圧治療」の開発が進められている。 2019年12月から2020年12月にかけて国内12施設で行われた第Ⅲ相臨床試験では、主要評価項目である24時間の平均収縮期血圧で降圧...
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心臓マクロファージを利用した不整脈の治療は期待できる
突然死の原因になるような重症な不整脈を自分の細胞で治せるようになるかもしれません。 今年3月、東京大学、千葉大学、日本医療研究開発機構の研究グループが、「心臓の中に存在している免疫細胞のひとつ=心臓マクロファージが不整脈を予...
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心臓病の人はワクチンより感染で生じるリスクの方が高い
新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました。国が決めた優先順位にしたがって、医療従事者に続いて高齢者でも接種がスタートしています。 その次に優先接種の対象になるのが「基礎疾患のある方」です。厚労省では、13の疾患と肥満(...
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最先端の心臓手術であらためて痛感する「準備」の重要性
ここ3回ほど、最近の心臓手術についてお話ししました。検査機器や医療材料の大幅な進化によって、以前であれば手術できなかったり、手術できても身体機能の一部を失ってしまうようなケースでも問題なく手術できるようになっているのです。 ...
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カツオと大豆で「気」と「血」を補って低血圧を解消する
朝、なかなか起きられない、午前中はエンジンがかからず頭がぼんやり……。つらい「低血圧」を改善する食養生で、パワフルに一日をスタートさせましょう。 低血圧の人は、中医学でいうところの「気血両虚」、読んで字のごとく気も血も足りな...
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AIが心電図からカテーテル治療の要否を判定 見落としを減らす
医療分野でAI(人工知能)は、どのような活用の仕方が考えられるのか。 2019年1月、米国科学誌「プロスワン」電子版に、「胸痛で救急外来を受診した患者の心電図から、その患者にカテーテル治療が必要かどうかを判定するAIを開発し...
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進化する新たな技術を手術に応用できないか常に考えている
前回、60代の男性患者の手術についてお話ししました。弓部大動脈瘤でこぶが大きくなった動脈を人工血管に交換したうえ、3カ所の冠動脈バイパス手術をいっぺんに行ったケースです。 首の頚動脈に人工心肺装置をつないで脳の血流を維持しな...
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このまま逝くかもしれない…山折哲雄さん肺炎を振り返る
昨年の3月末、ちょうど新型コロナウイルス第1波のさなかに「肺炎」で入院していました。幸い、新型コロナウイルス感染症ではなかったのですが、検査画像では右肺の4分の3が真っ白で、入院中はこのまま逝くのかもしれないと思ったくらい苦しい状態...
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大動脈瘤に加えほかの手術を同時に行うケースが増えている
近年、増加している大動脈のトラブルの中に「弓部大動脈瘤」という疾患があります。動脈硬化などによって大動脈の一部が膨らんでできたこぶ=大動脈瘤が、大動脈弓部と呼ばれる部分にできたものを指します。 大動脈弓部は、心臓から頭や上肢...
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ダースレイダーさん 糖尿病で脳梗塞に…左目の視力も失って
「もうすぐ出番です」と言われたので、「よっしゃ!」とトイレで顔を洗ったら、突然世界が一回転したんです。2010年、青山のクラブ、深夜のイベントで僕は司会をするはずでした。 何が起こったかわからず、「地震か?」と思いながら洗面台...
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ハイブリッド手術は高齢患者の夢をかなえることができる
心臓手術の進化が患者さんの夢をかなえる――。先日、あらためてそう感じた手術を実施しました。 患者さんは88歳という超高齢の男性で、狭心症と大動脈弁狭窄症があり、全身も衰弱して生活に大幅な制限を受けている状態でした。手術の前に...
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活動的で質の高い生活にはより良い「視力」が欠かせない
今年の正月休みに右目の手術を受けて実感したのは、より質の高い生活を送るためには「しっかり見える」という状態が欠かせないということです。 もともと私は強度の近視で、老眼も重なった40代後半からは遠近両用の多重焦点コンタクトレン...
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心不全の「和温療法」重症者が劇的に改善するケースもある
心臓病改善に効果がある“サウナ”がある。一般的なサウナとは違い、綿密な研究のもと開発されたもので、「和温療法」という。心不全治療に関しては健康保険が適用される。最近は、新型コロナウイルスの後遺症である筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に...
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旬のタケノコは血圧低下作用のあるカリウムを豊富に含む
前回取り上げたフキノトウと並んで、タケノコも春を感じる食材だ。 タケノコは旬が短く、食材として食べられるのは地下茎に芽が出て、地表に顔を出してから10日間ほど。 春の採れたてのタケノコは香りも味もすばらしい。見かけた...
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右目の手術を受けて手元がさらにはっきり見えるようになった
去年から今年にかけての年末年始は少しだけ手術をお休みしていました。実は正月休みを利用して右目の手術を受けたのです。 「黄斑円孔」という目の疾患でした。黄斑というのは光を感じる網膜の中心部のことで、ものを見る際には最も鋭敏な場所...
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心不全の予兆の可能性あり 1カ月で体重2~3キロ増に注意!
昨年末、心不全の新しい治療薬が承認された。「SGLT2阻害薬」という、2型糖尿病の治療薬として使われている薬だ。2型糖尿病の有無にかかわらず、心不全に効果があることが大規模臨床試験で証明され、今回の承認につながった。心不全は近年患者...
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稲妻のような残像が…叶かずゆきさん語る脳動脈瘤との闘い
僕はもう50歳近いおじさんですけど、頭の中には“最新機器”が入っています。というのも、日本ではまだ保険適用されて間もなくて症例の少ない最先端の「脳動脈瘤塞栓デバイス」を使うことに協力したからです。 脳動脈瘤がわかったのは、2...
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糖尿病と心臓疾患は個別に対応するのが現状では最善の策
前回、前々回と脳梗塞のお話を続けてきました。脳の血管が詰まって発症する脳梗塞は心臓と深い関係があるため、心臓も含めた総合的な治療部門の新設を進めているところです。脳も心臓も血管のトラブルが病気につながるわけですから、大きく見ればどち...
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バラバラな専門科を統合する脳梗塞治療施設を立ち上げる
脳の血管が詰まって発症する脳梗塞に対しては、脳だけでなく心臓も含めた総合的な治療体系が望まれる。前回はそんなお話をしました。 年間70万人が発症する脳梗塞は、突然死を招いたり、深刻な後遺症で介護や介助などの生活支援が必要にな...
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血管<下>自律神経のバランスを整えるための朝の習慣4つ
心臓に血液と酸素を送る冠動脈が詰まって発症する「心筋梗塞」の原因には、主に「動脈硬化」と「血管の機能異常(痙攣)」がある。動脈硬化は、生活習慣病や肥満、喫煙などが危険因子になるので、進行するまでに予防対策が取りやすい。しかし、血管の...
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心臓と大きく関わっている脳梗塞は総合的な治療体系が必要
脳の血管が詰まって起こる脳梗塞は、じつは心臓と大いに関係があります。 たとえば、心臓が細かく不規則に収縮を繰り返す心房細動があると、血流が悪くなるため血栓ができやすくなり、その血栓が脳の血管に移動して脳梗塞を引き起こす可能性...
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血管<上>循環器専門医が勧める内臓脂肪を減らす運動法2つ
心筋(心臓の筋肉)に血液と酸素を送っている冠動脈が詰まって発症する「心筋梗塞」。狭心症から心筋梗塞に移行する場合もあるが、3人に1人は何の前触れもなく起こるといわれる。 冠動脈が詰まる原因は大きく分けて、「動脈硬化」と「血管...
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年間1万円強の負担で全国どこでも質の高い医師にかかれるようになる
医師不足に悩む地方医療の疲弊を食い止めるため、公費を投入して学費を免除したり、奨学金を支給して医師を育成する大学教育システムを構築すべきという私案について前回お話ししました。 卒業後に特定の勤務先で働く義務を果たすと、数千万...
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寝ていればOK 楽チン「CAVI検査」で血管年齢をチェックする
糖尿病、高血圧、脂質異常症がある人で、ぜひ受けてほしいのがCAVI(キャビ)検査です。この検査は同じ機器で同時にABI(足関節上腕血圧比)検査も実施できます。 「CAVI」は動脈の硬さを調べる検査で、大動脈を含む心臓から足首ま...
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死亡事故につながる熱中症は冬でも起こる…長風呂にリスク
「熱中症」というと、暑い夏の病気だとイメージする人がほとんどだろう。しかし、それは大きな勘違い。寒い冬でも熱中症を起こし、亡くなる人が少なくないという。大きな原因は「長風呂」にある。 熱中症とは、気温と湿度が高い環境下で、体内...
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高血圧のクスリを減らす止めるための4つのステップ
身近な病気の代表格といってもいい高血圧の治療は、「高血圧治療ガイドライン」では生活習慣の改善とともに高血圧治療薬(降圧剤)の使用も推奨されています。 降圧剤はその作用によって「カルシウム拮抗薬」「レニン―アンジオテンシン系阻...