年間1万円強の負担で全国どこでも質の高い医師にかかれるようになる
医師不足に悩む地方医療の疲弊を食い止めるため、公費を投入して学費を免除したり、奨学金を支給して医師を育成する大学教育システムを構築すべきという私案について前回お話ししました。
卒業後に特定の勤務先で働く義務を果たすと、数千万円かかる学費が免除される防衛医科大学校、自治医科大学、産業医科大学のようなシステムを、医学部が設置されている全国の大学で実施するのです。学費や奨学金の返還を免除する代わりに、卒業後の一定期間は組織が決めた医療機関で働いてもらう。1県1医大制を骨格とした連携を利用して、若手が医師としての経験や技術を習得でき、同時に医師偏在を解消できるよう各地の医療機関に配置するシステムです。前述した3大学でもすでに義務的な派遣医を終了して指導的な医師や研究者として大学教授や研究所長に就いている方々も多く、多様な可能性を創出しています。
現在、医学部が設置されている大学は、先ほど挙げた3校を除くと、国公立と私立を合わせて全国で79校あります。それらすべてで学費や奨学金の返還を免除するために公費を投入するとなると、当然ながら財源が必要です。