心臓血管疾患
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コロナによる受診や手術控えは心臓に何をもたらしているのか
新型コロナの日本人初感染が確認されたのが2020年1月28日。奈良県在住の60代の観光バス運転手だった。それから1年9カ月余りが経過したが、10月5日現在の国内感染者は累計170万5778人、死亡者1万7754人と当初は想像もできな...
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「脂質=油」はわれわれの心臓に大きな影響を与える
前回、日本人の心臓に問題を引き起こす最大の要因になっている「高血圧」についてお話ししました。もちろん、心臓トラブルに関係しているのは血圧だけではなく、近年、注目されているのが「脂質=油」です。 脂質は大きく「飽和脂肪酸」と「...
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日本人の心臓にいちばん問題を引き起こしているのは「高血圧」
新型コロナウイルスの感染拡大とワクチン接種が進む中で、あらためて注視されているのが「血圧」です。 病院で計測した場合、「上(収縮期血圧)120㎜Hg未満/下(拡張期血圧)80㎜Hg未満」が正常の範囲で、「上140以上または下...
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心臓とがんの治療を受けるなら連携体制が整っている病院を選ぶ
前回、がん治療の進化に伴って心臓に障害が起こるケースが増えていることについてお話ししました。高齢化が進む日本では、今後、がんと心臓疾患の治療を並行して行う患者さんがますます増えるのは間違いありません。 ですから、患者さんが納...
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「肝」と関係が深い高血圧はセリ・トマト・昆布で対策を
さまざまなトラブルを引き起こす原因になる高血圧。日々の食養生で、改善を図るよう努めましょう。 中医学において、高血圧は自律神経をつかさどる臓器「肝」との関係が深いと考えます。過剰なストレスがかかると、肝がバランスを崩して高ぶ...
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一刻を争う脳梗塞 救急車内の治療で後遺症が24%低下
脳梗塞の治療は一刻を争います。2005年から血管に詰まった血の塊を溶かす、血栓溶解薬(組織プラスミノーゲンアクチベーター)による治療が始まったからです。この治療により血栓が溶けて血流が再開すれば、まひなどの後遺症が防げる可能性があり...
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がんではなく心血管疾患が原因で亡くなるがん患者が増えている
高齢化が進む日本では、心臓疾患とがんの関係がますます深くなっています。がん治療が大きく進化して生存率が向上している一方で、がんではなく心血管死する患者さんが増えているのです。実際、米国のがん患者300万人超を対象にした研究では、がん...
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コロナ禍の「受診控え」が関係か? 大動脈瘤破裂の緊急手術が増加中
コロナ禍で「受診控え」が増えている。それに伴って今後患者数が増加するだろうと指摘されている病気はいくつかあるが、そのひとつが「大動脈瘤」だ。 大動脈瘤は、大動脈の血管壁の一部が瘤のように膨らみ、正常の1.5倍以上になった状態...
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血圧は「ちょっとだけ高い」でも腎臓病のリスクが高くなる
腎機能低下による人工透析のうち、4割超が糖尿病の合併症である糖尿病性腎症が原因といわれています。 糖尿病の人は日頃から、腎機能が低下しないように努める必要があります。 そのためには、血糖コントロールを良好に保つととも...
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アナウンサーの濱中博久さん 心筋梗塞の手術から回復まで
「濱中さん、直ちに救急車を呼んですぐ来てください!」 今年の1月、電話の向こうの医師にそう言われて、さすがの私も「えっ?」と仰天しました。私はそのとき、いたって普通に話せるし歩ける状態だったのです。でも、じつはこのときが一番危...
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コロナ禍で「たこつぼ心筋症」にご用心 強いストレスで発症
感染者が減ってきているとはいえ、まだまだ新型コロナウイルスに対する感染対策を怠るわけにはいきません。首都圏の緊急事態宣言も延長される方向で、まだしばらくは不自由な生活が続きそうです。 そうした状況下で注意しなければならない病...
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ミッキー吉野さん 糖尿病が悪化し狭心症、脳梗塞と…医師の“脅し”に助けられた
「14年後に糖尿病がひどくなるぞ」 32歳のときに人間ドックでそう言われたことが、まさか的中するとは思っていませんでした。 46歳だった1997年、持病の糖尿病の悪化から、いわゆる「狭心症」の症状が表れたのです。心臓が...
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命を守る新型コロナワクチンを安心して接種するための備え
新型コロナワクチンの接種が進んでいます。新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を防ぐ効果があるのは間違いなく、現時点ではウイルスから自分の身を守る最善の手段といえるでしょう。 一方で副反応の報告が増えているのもたしかで、ワク...
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各専門科から集まったチームだからこそ有効なコロナ治療法が見つけられる
「デルタ株」の登場から蔓延まではすさまじい速さで、新型コロナウイルスの感染拡大がさらに続いています。コロナ患者を受け入れている順天堂医院のコロナチームのスタッフは日々尽力しています。 コロナとの闘いが世界各国で繰り広げられてい...
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女性ホルモンが多い男性は血栓症のリスクが低い 専門誌が報告
男性は精巣から男性ホルモンが分泌され、女性は卵巣から女性ホルモンが分泌されます。しかし、男性でも産生された男性ホルモンの一部は、女性ホルモンに変換されているので、男性も常に少量の女性ホルモンを分泌しています。 男性では加齢に...
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心房細動や貧血が「心不全」の原因になるケースもある
近年、日本でも増えている「心不全」は病名ではなく、心臓の働き=ポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなっている病態を指します。放っておくと徐々に悪化して命を縮めてしまうため、早い段階で進行を食い止めることが重要です。 ...
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心不全は原因となる病気をコントロールして悪化を食い止める
高齢化が進んでいる日本では「心不全」の患者さんが増えています。毎年1万人ずつ増加しているというデータもあり、危惧されています。 心不全というのは病名ではなく、心臓の働き=ポンプ機能が徐々に低下し、全身に十分な血液を送り出せな...
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「噛む力」は心臓にかかる負担の大きさに関係している
噛む力=咬合力が弱い人は心臓疾患になりやすい、という研究報告があります。 国立循環器病研究センター、新潟大学、大阪大学の共同研究チームが、大阪府の吹田市民を対象としたコホート研究を解析したもので、50~79歳の一般住民のうち...
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コロナ後に「心不全死者4万人増」と学会が試算 心臓リハビリの重要性
心臓病を起こさない、再発させないためには、適度な運動が不可欠。特に心臓病の発症・再発・再入院予防を目指して行う運動療法を中心に行う総合的プログラムを心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)という。榊原記念病院顧問の伊東春樹医師(循環器...
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「出会いに感謝」「苦労と握手」若手医師に伝える心構え
前回まで若手医師の手術指導についてお話ししてきました。 若手が手術に臨むには、基本的な手技と局所解剖の知識を身につけることが大前提なのはもちろん、メンタルとフィジカルのコンディションをしっかり整えることも求められます。また、...
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厳しい指導は正面から向き合っていないとハラスメントになる
前回お話しした若手医師の手術指導について続けます。 基本的な手技と局所解剖の知識に問題がない若手はスタッフとして手術に参加させ、難しくない処置を実践させます。それも適切に行えていれば、次は指導医が付いて執刀を任せる段階に進み...
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外科医には心身の調整とコミュニケーション能力が欠かせない
若手医師への手術指導は、まず基本的な手技と局所解剖についての知識をしっかり習得できているかどうか点検するところから始まる。前回はそんなお話をしました。 私がまだ若手だった時代、こうした技術や知識は日々の個人的な鍛錬はもちろん...
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若手医師の手術指導はまず初歩的な手技の習得度を把握する
前回、千葉市立青葉病院で起こった医療事故について取り上げました。2019年11月に左腕の肘関節手術を行った際、執刀した当時6年目の担当医が尺骨神経をメスで剥離する過程で、誤って神経を切断してしまい、患者に後遺症が残ってしまったという...
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糖尿病予備群も危ない 心筋梗塞や脳卒中のリスクが2倍以上
糖尿病予備群とは、「血糖値が正常より少し高いが、糖尿病と診断される値よりは低い状態」を指します。これを、「まだ糖尿病じゃない。このままでいいんだ」と捉える人が多いのですが、糖尿病予備群は「予備群と言われてしまった。これはなんとかしな...
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「医療安全」に対する認識不足が医療事故につながる
今月11日、千葉市立青葉病院が医療事故を起こしたと発表しました。2019年11月、自転車で転倒した50代患者の左腕の肘関節手術を行った際、執刀した当時6年目の担当医が尺骨神経をメスで剥離する過程で、誤って神経の4分の3を切断。手術に...
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コロナ禍で運動量が激減していたら「腹式呼吸」で心臓を守る
心臓にとって適度な運動が有益であることはよく知られています。 今年2月にも、デンマークの研究で「運動によって突然死のリスクを低くできる」と報告されています。1週間の総エネルギー消費量に基づいて、身体活動が中程度(1週間当たり...
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激増する「心不全」 原因の発見が根本的治療へつながるか
患者数が急増している心不全に対し、画期的な研究結果が発表された。研究を行った熊本大大学院生命科学研究部教授の尾池雄一医師に話を聞いた。 心不全は、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、徐々に命を縮める病気だ。 「心不...
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デバイスを使うほど高度な医療を誰もができるようになるが…
前回、僧帽弁閉鎖不全症に対する「マイトラクリップ」が、治療の選択肢としてガイドラインに加えられたお話をしました。マイトラクリップは、先端にクリップの付いたカテーテルを下肢の静脈から挿入して僧帽弁に到達させ、ずれてうまく閉じなくなって...
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正常値で心臓病がない人も薬で血圧を下げると健康メリットあり
心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患を患ったことがある人や、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった心血管疾患の発症リスクが高い人は、「血圧管理」を厳格に行わなければなりません。では、血圧はどれくらいまで下げるべきか? これに関しては近年、さま...
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糖尿病の薬が心不全にも効くのか? 世界的医学誌で報告
心不全とは、老化や不整脈、心筋梗塞などさまざまな理由で、心臓の働きが高度に低下した状態のことです。心不全の治療に特効薬はありませんが、最近、糖尿病に使用する薬の一部が心不全にも効果があるとして注目されています。それはSGLT2阻害剤...