心臓血管疾患
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「旅行」は健康寿命を延ばし、心臓の健康維持にも役立つ
コロナ禍がひとまず落ち着いたことで、今年の夏は久しぶりに旅行に出かけたという人も多いのではないでしょうか。近年、「旅行はさまざまな健康効果をもたらす」という研究結果がいくつも発表されていて、心臓の健康維持にとっても大きなプラスになり...
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“やらなくてもいい”心臓手術を行う医療機関が増えている
心臓手術で使用される人工血管や人工弁といった人工物はできる限り正常な状態の生体組織に設置することが重要だと、前回お話ししました。明らかに病変が残っているような異常な組織に人工物を縫い付けてしまうと、その場では問題がなくても、後になっ...
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高血圧症の克服(5)「降圧剤の処方を変えましょうか」担当医からうれしい言葉
40代に入って「高血圧症」と診断された。以来20年間、降圧剤「アムロジピンOD錠」を常備薬にしてきた早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)だが、今年5月に予想外の様変わりを見せる。 「自宅近所の総合病院で2カ月に1回、『Ⅰ度...
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「不整脈」自覚症状がゼロでもすぐに精密検査が必要なワケ
記者は50代。先日、健康診断で不整脈を指摘された。ネット検索すると「健康な人でも90%が不整脈を起こしている」とある。“健康な人でも”ということは、このまま放置していても問題ない? 岐阜県にある中部国際医療センター循環器内科副部長の...
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心不全で救急搬送を経験…作家・花房観音さん「人通りのない場所だったら死んでいた」
更年期障害だと思っていたら、「心不全」を起こして救急車で運ばれてしまったお話です。去年の5月のことです。 歩いているだけで息苦しさを感じるようになったのは、その1カ月前ぐらいでした。でも、決定的なことがなかったので病院に行く...
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大動脈の手術では予定になかった処置を実施するケースがある
以前、大動脈弁狭窄症の手術を行っている最中、上行大動脈の中にあるプラークと、その下にできた血腫を見つけ、それらを取り除く処置を行ったケースをお話ししました。そのまま放置していたら、いずれ大動脈解離を起こして突然死するリスクがあるため...
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高血圧症の克服(4)通片道1時間の勤ストレスから解放…1万歩の農道散歩と野菜生活
2022年の秋、イベント企画会社を経営する早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)は、20年間東京都内に借りていた事務所を引き払い、仕事場を入間の自宅に移した。 早川さんの持病である高血圧症(本能性高血圧)は、「1度高血圧」...
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高血圧治療専門の医師が教える「本当に血圧が下がる食べ物」
24時間血圧を測り続けて、今月で37年目に突入。それが、日本歯科大学内科客員教授の渡辺尚彦医師(日本高血圧学会専門医)だ。自身の経験から見えてきた血圧低下のポイントを聞いた。 循環器内科医で高血圧患者を多数診ている渡辺医師が...
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血圧を最も効果的に下げる運動「アイソメトリックトレーニング」とは
健康診断で高血圧やコレステロールの増加を指摘され、生活改善が必要だと言われたとします。それでは少し運動でもしてみようか、というのは、多くの方が考えることだと思います。しかし具体的にどのような運動をするのがいいのでしょうか? ...
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退職した中高年は心臓病リスクが低くなる…考えられる理由
退職して働くのをやめた中高年は、心臓病のリスクが低い--。今年5月、そんな研究結果が報告されています。 京都大学などの研究グループが、日本をはじめ米国や中国など35カ国の中高年(50~70歳)約10万人を対象に平均6.7年間...
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高血圧症の克服(3)30年通った病院が閉院…新たな総合病院で薬が7種類に増えた
埼玉県入間市に住む早川栄治さん(仮名・69歳=イベント企画会社経営)は、3年前、高血圧症の治療中に少し困ったことが起こった。 30年近く、家族ぐるみでお世話になっていた自宅近くのクリニックの院長が病死。病院が閉鎖されてしまっ...
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少量の飲酒習慣は心臓病の予防効果あり 米国心臓病学会誌で報告
適度な飲酒は健康に良い、というような意見が、以前は専門家からもよく聞かれました。しかし最近の研究では、少量であっても飲酒の習慣には健康面のリスクがある、という見解が一般的になっています。 しかし、狭心症などの心臓病についてみ...
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「孤独」が心臓病のリスクをアップさせるのはどうしてなのか
「孤独」は心臓病の発症リスクを大きく上昇させる──。以前から複数の研究で明らかになっている結果が、今年6月、米国であらためて報告されました。 米厚生省が提出した「私たちの流行病:孤独の蔓延と孤立」という報告書によると、孤独=社...
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高血圧症の克服(2)暴飲暴食、ストレス、運動不足…投薬治療開始を告げられた20年前の生活
「血圧が少し高い。降圧剤を出しましょう」 20年前、中年期を迎えた早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)は、自宅近所のクリニックでこう診断された。 都内に事務所を構えイベント企画会社を経営している早川さんは、身長17...
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【心電図検査】計測時間が短く不整脈が見つけづらい
心臓の異常を調べる検査で、主に「不整脈」と「虚血性心疾患(狭心症など)」のスクリーニングに用いられています。 心臓には洞結節と呼ばれる部位があり、そこから電流が発生して、統率のとれた拍動を繰り返すのです。この電流を測定し、波...
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心臓手術でも脳を冷やして温度を下げてから実施するケースがある
「脳の温度」を意識することは健康維持に大いに役立つ可能性があると前回お話ししました。通常、われわれが日常生活の中で経験する脳の温度は、35~39度台くらいでしょう。その範囲内で、温度が高くなったら冷やし、低くなったら温めて“適温”を維...
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高血圧症の克服(1)降圧剤を飲んでも治らなかった血圧が正常に
初夏の日差しを感じ始めた今年5月、イベント企画会社を経営する早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)は、思いがけない経験をする。 20年ほど前に「高血圧症」と診断された早川さんは、以来、降圧剤「アムロジピンOD錠」5ミリグラ...
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猛暑の健康管理は「脳の温度」を意識して冷やしたい
今年の夏も猛暑が続いています。熱中症への対策はもちろん大切ですが、それとともに健康管理に大いに役立つのではないかと注目しているのが、「脳の温度=深部体温」です。意識して脳にとっての“適温”を維持してあげれば、心臓を守ることにつながる...
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狭心症(5)「毎晩、妻とビール2本の晩酌は継続しています」
都内の循環器専門病院で、東海林治郎さん(仮名.68歳)はこの3月、「狭心症」のカテーテル治療を受けた。 この病院は、狭心症治療の入院期間を、症状の軽重によって3泊4日、2泊3日、1泊2日、または日帰り入院と決めている。東海林...
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高血圧治療は半年に1回の注射でOKに? 臨床試験がスタート
高血圧は動脈硬化を進行させ、脳卒中や心臓病などのリスクを高めます。そのため、高血圧と診断された人は血圧の薬を毎日飲む必要があります。 最近ではオンライン診療や長期処方などにより、以前と比べれば病院に行く回数は減りました。それ...
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心臓を守るために「乳製品」の摂取は効果的なのか
乳製品の摂取は心臓病のリスクを低下させる──。今年3月にそんな研究データが報告されました。 国立がん研究センターが実施している多目的コホート研究で、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪に在住していた45...
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「尿酸値」が高くなると死亡リスクが3倍にアップ…痛風だけじゃない
「尿酸値」と聞くと、痛風を思い浮かべる人が多いだろう。しかし近年、尿酸値が高いと心血管疾患を引き起こし死亡率を高めると報告されている。夏は最も尿酸値が上がりやすいので、これまで高尿酸値を指摘されてこなかった人も気を付けたい。山形大学大...
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心臓病のリスク因子「プラーク」は手術中に取り除く場合もある
以前、「ナノボット」と呼ばれるナノメートル(10億分の1メートル)サイズのロボットを患者の体内に注入し、血管内の「プラーク(粥腫)」を取り除く治療法の開発が進んでいる話題についてお話ししました。今回は、そのプラークについて詳しく取り...
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狭心症(4)手術中の医師の会話が丸聞こえ「ここが詰まっているね」
今年3月下旬、関東圏に住むプログラマーの東海林治郎さん(仮名=68歳)は、都内の循環器専門病院で、「狭心症」のカテーテル治療を受けた。 当日の午前。病衣に着替えた東海林さんは、手術室のベッドに横になると、まず足の付け根を消毒...
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新しい心筋症「TGCV」は診断技術の進歩により明らかになった
「中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)」という心臓疾患があります。体内の余分な中性脂肪が心臓の筋肉(心筋)や冠動脈の細胞内にたまり、心臓肥大や動脈硬化を招いて重症の心不全や狭心症、心筋症、不整脈などを起こします。2008年に日本で報告さ...
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狭心症(3)診断前の最終検査「太ももからスパゲティ大のカテーテルを…」
今年3月中旬、東海林治郎さん(仮名=68歳)は、自宅近くのクリニックから紹介された循環器の専門病院で「狭心症疑い」の検査を受けた。 検査項目は10通りほどあり、「問診」と「血液検査」を済ませた後は病衣に着替え(レンタル料21...
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「幸福度」の高さが心臓病による死亡率に影響を与える?
医療や福祉サービスが充実しており、安全で清潔な環境で生活する人々は、そうでない環境で生活する人々と比べて、幸福を感じる度合いが高いといえます。また、幸福度が高い社会では、日常生活におけるストレスが減り、そこで暮らす人々の健康状態も良...
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「必要ない医療」で患者に介入する医療機関が増えている
心臓手術を受けた後は計画的なリハビリが重要で、心機能の低下がない場合は「安静」よりも「適度な運動」がより良好な回復につながる。前回お話しした内容です。 現場でも実際にそうした方針がとられていますが、早期回復・早期リハビリだけ...
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狭心症(2)亡くなった父も心臓病で入院「遺伝のせいかもしれない」
桜前線が北上中の今年3月中旬、東海林治郎さん(仮名=68歳)は、都内にある循環器専門の病院を訪ねた。年間2000件近い救急搬送を受け付けている、急性心筋梗塞や狭心症患者などの循環器治療専門病院である。 当時はまだ新型コロナの...
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心臓にとっては「安静」よりも「適度な運動」が大切になる
入院生活において座っている時間が長い人は、短い人に比べて退院時の身体機能指標が有意に低い──。今年6月、神戸大と早稲田大の研究グループが心臓病で入院している患者353人を対象に行った研究結果を発表しました。 入院期に心臓リハ...