週間読書日記
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志川節子(作家)
9月×日 野村進著「出雲世界紀行 生きているアジア、神々の祝祭」(新潮社 781円)が手許に届く。文庫解説を書かせていただいたのは、本書が初めて。 我が出身地、島根県浜田市は石見神楽の盛んなと…
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下村敦史(作家)
8月×日 自身の新刊「アルテミスの涙」(小学館)と文庫化「絶声」(集英社)の再校ゲラを仕上げる。アンソロジー用の短編を2編書き上げ、KADOKAWA、徳間書店、PHP研究所でそれぞれ連載中の原稿を何と…
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永井義男(作家)
8月×日 C・キャシディーほか著「とんでもない死に方の科学」(梶山あゆみ訳 河出書房新社 1760円)はさまざまな死に方の思考実験で、似通った実例も紹介されている。 「潜水艇で深海に潜っていると…
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樺沢紫苑(精神科医・作家)
8月×日 今年は3月から7月までの4ヶ月間に、「精神科医が見つけた3つの幸福」(飛鳥新社)、「行動最適化大全」(KADOKAWA)など、4冊の本を出版し、上半期はかなり充実した時間をすごしました。 …
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黒木亮(作家)
8月×日 自宅から電車で35分ほどのピカデリー・サーカスにある日本食料品店に刺身を買いに行く。英国は1年4ヶ月ほど続いた行動規制の大半が7月19日にようやく解除され、息を吹き返したところだ。自宅の近所…
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山田昌弘(中央大学教授・作家)
7月×日 長く私の仕事を手伝ってくれている女性が、「山田先生、萩尾望都、好きですよね、面白い本出ましたよ、注文しておきますね」と言われ購入した萩尾望都著「一度きりの大泉の話」(河出書房新社 1980円…
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越谷オサム(作家)
7月×日 あまりの暑さにどうかしていたのだろう、そろそろ昼をという時間になって突如風呂場のタイル磨きを始める。狭くて風通しの悪い真夏の浴室の中、大汗をかきながらスポンジで床の黒ずみを一心不乱に擦り、一…
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赤神諒(作家・弁護士)
7月×日 今日も時間が足りなかった。法律と小説の二刀流を始めて4年、時間との戦いに明け暮れ、青息吐息。寝床で本を手に取る。髙橋洋一著「髙橋洋一式デジタル仕事術」(かや書房 1540円)。睡眠を削らず時…
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西田亮介(東工大准教授・情報社会学者)
7月×日 あまり知られていないが最近、インターネットや調査報道と関連するジャーナリズムの新しい賞がいくつも新設された。メディアの研究を専門にすることもあって複数の審査にかかわった。主催者に共通するのは…
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小路幸也(作家)
6月×日 そもそもが酒を飲まないし出不精な人間なのでここ10年以上は〈東京のホテルにいるか自宅にいるかどっちか〉という暮らしになっていた。なので、コロナ禍の中でもさほど暮らしに変化はないが、もう1年以…
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鹿島茂(仏文学者)
6月×日 主宰している無料閲覧サイト「ALL REVIEWS」の「友の会」はゲストや著者を招いて1冊の本について徹底討議するユーチューブ書評番組「月刊ALL REVIEWS」を月に2度配信しているのだ…
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坂爪真吾(一般社団法人 ホワイトハンズ代表理事)
6月×日 久しぶりに出張の仕事が入り、移動中の機内で読む本として、奥田祥子さんの新刊「捨てられる男たち 劣化した『男社会』の裏で起きていること」(SBクリエイティブ 990円)を買った。 奥田…
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下重暁子(作家)
5月×日 1月に書下ろしの新書「明日死んでもいいための44のレッスン」(幻冬舎 924円)が出て以来、続けざまに1、2ヵ月に1冊の割合で拙著が本屋に並ぶ。それを見て「忙しいでしょう?」といわれるが、た…
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吉川英梨(作家)
6月×日 先日、書店でとある本に目が釘付けになった。海野弘氏解説・監修の「366日 物語のある絵画」(パイ インターナショナル 2860円)という本だ。神話から宗教画、古典作品の物語絵が366枚紹介さ…
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畑中章宏(民俗学者)
5月×日 書き下ろしの新刊を立て続けに出そうとしているものだから、資料・史料の渉猟的な読書にしか時間が取れない。そうこうしているうちに、どうしても読んでおきたい新刊が発売される。読み始めると眼の前の仕…
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香山リカ(作家・精神科医)
5月×日 安倍政権時代には“やられっ放し”だったマスメディアが、ちょっとだけ変わってきたのを感じる。たとえば、毎日新聞は中心に「入管・難民問題」という特集班を組み、入管収容中に亡くなったスリランカ人女…
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高嶋哲夫(作家)
5月×日 「歴史より学べ」去年と今年ほど、この言葉を噛み締める年はなかった。 コロナに明けコロナに暮れる日々が続いている。頼みはワクチンだが、数、接種方法、人員、接種者の意思確認に至るまでトラ…
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沢野ひとし(イラストレーター・エッセイスト)
4月×日 人は好きなものを見つけると、歓喜して追いかけて行く。和田靜香、金井真紀の美女コンビは腰を落とし、摺り足で「世界のおすもうさん」(岩波書店 1980円)に迫って迫った。 私のようなジジ…
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タブレット純(歌手・タレント)
4月×日 ぼくが在籍しておりました「和田弘とマヒナスターズ」は嘗ては華やかなスターバンド…だったはずながら、それは昭和のおとぎ話でのこと。イブシまくったその銀の背中、いや、シッポに乗れたことは大変光栄…
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上野誠(國學院大學文学部教授)
4月×日 29年勤めた奈良大学から、國學院大學に移籍してはじめての授業。私の第一声は、俺も文学の楽しさを語るから、君たちも授業を楽しみなさい、と語った。だから、私は、時に、柿本人麻呂になるぞ、と言い放…