「男性権力の神話」ワレン・ファレル著、久米泰介訳
しかし80年代になると一転、たとえ女性が殺人を犯しても、女性ホルモンの暴走によるものならば情状酌量は当然と主張し始めた。実際、恋人や子供を殺した女性が、PMSを理由に減刑された例がいくつもある。しかし、男性の犯罪には男性ホルモンの暴走など考慮すらされない。
また、アメリカの12の州では、女性がDVを告発した場合、証拠がなくても相手の男性を逮捕する強制手段がある。一方、これがDVを受けている男性には適用されない。日本でも、男性差別の状況はアメリカと変わりはない。真の“男女平等”とはいったい何なのかを考えさせられる。