「豆の上で眠る」湊かなえ著
大学2年の結衣子は、母の入院を知ったバイト仲間にシフトを代わってもらい帰郷。まずは入院中の母に会いに行こうと、駅前の喫茶店でバスを待っていると、窓の外に姉の万佑子が見知らぬ女性と歩いていた。女性の目の近くの傷痕を見つけた結衣子に小学生のときの苦い思い出がよみがえる。体が弱かった万佑子をローラースケートに誘い、ケガをさせてしまったことがあるからだ。女性の傷痕はそのときの万佑子の傷と同じ場所にあった。
ケガから3カ月後の夏休み、万佑子が姿を消すという事件が起きた。2年後、万佑子は神社の鳥居の下で発見されたが、以来、結衣子は姉に対して拭いきれない違和感を抱き続けてきた。
徹夜必至の長編ミステリー。
(新潮社 590円+税)