「ドクターX」に半沢の手法も…テレ朝“シリーズ軍団”の強みと進化

公開日: 更新日:

 この秋のドラマレースで目を引くのが、テレビ朝日“シリーズ軍団”の活躍だ。初回が19.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の「相棒」。今期最高の22.8%を記録した「ドクターX~外科医・大門未知子~」。さらに、23時台の「都市伝説の女」も8.4%の高視聴率で始まった。

 この3本に共通するキーワードは「進化」だ。前シリーズのいいところを継承しながら、視聴者を飽きさせない工夫を忘れない。その好例が米倉涼子主演の「ドクターX」である。

 まず新たな舞台の設定だ。前回の帝都医大付属病院の分院から本院へ。これは「半沢直樹」が大阪西支店から東京本部に異動したようなものだ。これにより大学病院“本店”ならではの権力闘争も描けるようになった。

 次に新キャラクターの投入だ。外科統括部長に西田敏行映画「釣りバカ日誌」の浜ちゃんもいいが、西田はアクの強いヒール役も実にうまい。そして内科統括部長は三田佳子だ。現在72歳の三田が58歳の敏腕女医を堂々と演じている。出てくるだけで画面が豪華に見えるのはさすが大女優だ。

 次期院長の座をめぐって対立するこの2人。いわばハブとマングースの戦いだが、その暗闘が激しいほど、「私、失敗しないので」とマイペースで患者の命を救っていく米倉が際立つ仕掛けだ。まさに座長芝居である。

(上智大教授・碓井広義=メディア論)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」