「高倉さんがいちばん大事にしているのは、人の心の美しさを観客に届けることだと思います。観客の心に何らかの働きかけをしたい。それが高倉さんの原動力だと思います。そのために仕事をしたい、と。いい話だと思ったよ」
わたしは雲南省のロケ現場まで見学に行ったけれど、「高倉健の関係者」と言っただけで、中国のスタッフに歓待され、朝まで酒を飲まされた。
▽のじ・つねよし 1957年生まれ。美術展のプロデューサーを経て作家活動へ。「サービスの天才たち」(新潮新書)、「イベリコ豚を買いに」(小学館)など著書多数。最新刊は「アジア古寺巡礼」(静山社)。