東映が「あぶない刑事」ファイナルで挑む“独り勝ち東宝の壁”
「興行が落ち気味ですが、必ずや復活してみせます!」――多田憲之社長(65)の気迫に満ちた挨拶が印象的であった。
2日に行われた「2015年東映ラインナップ発表会」。昨年の興行収入が芳しくなかった同社とすれば、まあ、無理もない。
国内映画配給会社“ご三家”の興収成績は長らく東宝の独り勝ち状態。東宝は2014年も歴代4位の720億円という驚異的な数字を叩き出し、松竹も前年比141%の138億円をマーク。この2社が健闘する中で、東映は前年比約3割減の116億円に終わった。映画界全体が106%と上向いた結果を鑑みると、惨敗といっていいだろう。
■お家芸のアクションで勝負
勝負は今年である。東映は「1000%娯楽度」のキャッチコピーを掲げ、多彩なラインナップで打って出る。中でも目玉は、80年代後半に一世を風靡した「あぶない刑事」の復活作「さらば あぶない刑事―long good―bye―」。舘ひろし(64)と柴田恭兵(63)演じるタカ&ユージのグラサンバディによる刑事ドラマの復活だ。12年夏に発売したドラマ全話と映画のメーキング映像を収録したDVDマガジンが、累計120万部とバカ売れしたのがきっかけだという。