「下町ロケット」専門家が見た好発進要因は“特盛り全部のせ”
アベカンの演技は脂が乗りまくりだと再認識させられる初回であった。10月期クールの大本命、阿部寛(51)主演のドラマ「下町ロケット」(TBS系、日曜21時~)が今週からスタート。
池井戸潤氏の小説を原作とした今作は、最高視聴率40%超えを記録した「半沢直樹」や「ルーズヴェルト・ゲーム」に続く“池井戸ドラマ第3弾”で、新作を楽しみにしていた人は多かったようだ。
同クールでは、テレビ朝日の人気シリーズ「相棒」に次ぐ初回視聴率16.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、上々の出だしを切った。
物語はロケットエンジンの開発研究員を辞めて父親が残した町工場を継ぐも夢を諦められない男とその家族、社員らの姿を描くヒューマンドラマ。専門家はどう見たか。
「2回目以降に期待を持たせるクオリティー。勧善懲悪のストーリーを強調するべく、『半沢直樹』で確立させた役者陣の顔芸をはじめ、場面のつなぎに挟む日の出や日の入りの映像など定番の要素をふんだんに織り込んだ印象です。作戦会議の場ひとつとってもカネの亡者は料亭、対する弱者は赤提灯にして分かりやすかった。とにかく“お馴染み”のがてんこ盛りで、ベテランピッチャーの配球を見せつけられたような感覚。〈待ってました〉と〈またか〉のアンビバレントな気持ちが働いた初回でした」(コラムニストの桧山珠美氏)