ビートたけし “毒舌芸”のルーツは幼少期とヒモ時代にあり
お笑いで成功したのはもちろん、映画監督としても華々しい受賞歴があり「世界のキタノ」と呼ばれるまでになったビートたけし(69)。
そんな彼は、漫才コンビのツービート名義で最初に出した著書「ツービートのわッ毒ガスだ」(ベストセラーズ)以来、100冊以上の本を刊行し、そのほとんどがベストセラーになっている。「ホームレス中学生」「火花」など、最近でも芸人の著書が売れると話題になることはあるが、実はたけしこそが押しも押されもしないお笑い界随一の売れっ子作家なのだ。
数あるたけし本の中から初めて読む人に薦めたいのは、「真説『たけし!』オレの毒ガス半生記」(講談社)。それまでの人生の歩みを赤裸々につづった自伝本である。
印象的なのは、芸人としてデビューするまでの彼がかなり鬱屈した青春時代を過ごしていることだ。子供の頃には2人の兄よりも勉強が不得意だったため、母親から冷たい扱いを受けていた。その上、父親がペンキ職人で家が貧乏であることにコンプレックスを持ち、どんどん卑屈になっていった。