慶大教授の言葉でお笑い決心 オリラジ中田“不屈”の原点
オリエンタルラジオ率いるRADIO FISHの新曲「PERFECT HUMAN」が売れている。オリラジの2人がダンサー陣を引き連れてスタイリッシュに歌って踊るパフォーマンスが評判なのだ。
そんなオリラジは、人気の浮き沈みが激しい中で、倒れても倒れても這い上がってくる不屈の精神の持ち主。中田敦彦(33)の自伝的小説「芸人前夜」(ワニブックス)を読むと、デビュー以前の彼のことがよく分かる。
猛勉強で慶大に入った中田を待ち受けていたのは、退屈なキャンパスライフだった。ある講義で、経済学の教授がこんな言葉を発した。
「この国の経済は、もうおしまいなんですよ」
年功序列、終身雇用といった旧来の制度はすでに崩壊している。君たち若者が信用できるのは国でも会社でもなく、自分の力だけだ。教授はそんな本質的な言葉を口にしたのだ。それが中田に刺さった。この言葉を受け止めて、将来について漠然と考えているうちに、自分が好きなお笑いを仕事にする決心がついた。
その後、バイト先の自動車事故受付センターで藤森慎吾(33)と知り合った。ヒマを持て余した夜勤バイト仲間の2人は自然と言葉を交わすようになり、仲良くなっていった。中田が芸人志望だと知った藤森は「俺もやりたい」と気軽に言い出した。どこまで本気なのか分からなかったため、中田は不安を感じていた。だが、藤森を信じて最終的にはコンビを組むことにした。