唐十郎「状況劇場」で異彩 怪優・大久保鷹の“破天荒”人生

公開日: 更新日:

 しかし、76年、置き手紙を残して突然退団する。

「72年から74年にかけ、韓国のソウル、バングラデシュのダッカ、パレスチナの難民キャンプと世界の火種ともいうべき場所で公演を敢行したことで、燃え尽き症候群に陥ったのかもしれません」

 芝居から足を洗った鷹さんは、長兄のツテで横浜の仮設足場建設会社の専務におさまった。

「実家は新潟で代々の大地主だったんです。その社長は父親の“小作人”だった方で、ボクはいきなり専務待遇。仕事は現場監督ですが、それなりの格好づけが必要だとベンツに乗ってました」

 結婚して子供も3人生まれたが、堅気の生活は長くは続かなかった。

「ある日、会社にファクスが届いた。作家の嵐山光三郎さんの名前で、唐さんが会いたいと言ってるとありました」

 唐と再会した鷹さんに、唐は「唐組という新しい劇団を旗揚げする。戻ってきてほしい」と懇願。一も二もなく承諾した。


「当然、食えなくなり、妻から三くだり半。子どもたちにはそれ以来会ってないですね。もし再会したら一緒にケーキでも食って、“おまえのオヤジは今でもぶざまに芝居続けてるぞ”とでも言ってやりますか、ハハハ」

 6月18日から新宿・花園神社境内特設テントで新宿梁山泊「新・二都物語」(演出=金守珍)に出演。唐の長男・大鶴義丹と共演する。

「もう一度パレスチナで芝居をやりたい。それが今の夢です」

 都内の公団住宅住まい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  3. 3

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  4. 4

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  5. 5

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  1. 6

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  2. 7

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  3. 8

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

  4. 9

    中居正広が払った“法外示談金”9000万円の内訳は?…民放聞き取り調査で降板、打ち切りが濃厚に

  5. 10

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭